うちの料理に欠かせない一品といえば、やはり茄子の葡萄炊きでしょうか。まず天地を切って丸い形にしてから、包丁を突っ立てて皮を薄く細く削いでいく・・・名前の由来は、翡翠のようなきれいな緑色から。葡萄のアレキサンドリアのような、じつに美しい色味の一品です。
関西割烹「つる壽」のご主人の語り、平松洋子さんの聞き書き-という贅沢な一冊。写真入りで紹介されているお料理がおいしそうなのはもちろんなのこと、文章の平松さんの文章のなんと清々しいことよ。隅々まで奥深い「つる壽」のご主人のお話に、思わず背筋が伸びる心地がするのでした。

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