神様は最後の最後まで、和美には意地悪のしどおしだった・・・神様よりも人間のほうが、ずっと優しい。神様は涙を流すのだろうか。涙を流してしまう人間の気持ちを、神様はほんとうにわかってくれているのだろうか。頼む、涙よ、邪魔をしないでくれ。僕の妻は、もう、こんなに透き通ってしまった。―昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。「泣かせる」というお題目を帯にデカデカと書いた”あざとい本”とは一線を画す、悔しいほどに泣かされる本。冷静な気持ちでは読みすすめることができず。★★★★
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