子供の頃から、私はプールがこわくて仕方がなかった・・・プールに入る日の前は、必ず「雨乞い」をした。どんなに晴れた日でもベランダに立ち、向かいの家の玄関をじっと見つめる。そうしていると、次第に雨粒のようなものがパラパラと降ってくるように見える。今思えば一種の幻覚なのだが、見えるようになるまで何時間もベランダに立っていた。母親が心配するのは当然で、私を病院に連れて行き、脳波の検査を受けさせたくらいである。そうこうするうちに、私は本当にプールでおぼれた。
「目の前に水があるだけで足がすくむ」という著者が、いまさらおばちゃんたちに囲まれて、初めて「泳ぐこと」に挑戦した2年間の涙ぐましいスイミング・ルポ。笑ってはいけないと思いつつ、ぐふぐふ笑ってしまいました。(ごめんなさい、私も泳げないのに)だって、著者は”不惑”の40歳。なのに、大いに煩悶し、いつも逃げ腰。けれど、不思議なことに好感度大なんです、このエッセイ。

この本読んだら、私も泳ぎの練習をしたくなりました。んー、でも25m泳ぐのに、2年間もかかるの?さすがに気が遠くなりそう。

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