南北に分断されて以来、長い間反共主義が支配イデオロギーとして権力と一体化してきた韓国。当時、保守系新聞は権力と癒着し、ジャーナリズムの機能を果たしてこなかったため、メディアに対する不信感と失望感はいまだに根強い。「民主化をこの手で勝ち取った」自負心にあふれる386世代が社会の中枢を担っている現在、オルタナティブメディアの存在感はますます大きくなっている・・・「オーマイニュース」や「ハンギョレ新聞」などを具体例にあげながら、韓国の現代史をメディアという側面から解説する入門書。とてもわかりやすい。ただ、これはひとつの潮流であって、これがそのまま韓国の全体像ということにはならないだろう。保守系新聞の社説も合わせて読むと、韓国のいまが見えてくるような気がする。

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