おばあさんの中には、女の子がいるかもしれないんだ。おじいさんの中には、スケートボードに乗った男の子がいるかもしれないんだ。その人たちは、飢えたような目で見ているのかもしれない。まわりで子どもたちが遊んだり、笑ったり、走ったり、サッカーボールをけったり、逆立ちしたり、側転したりするのを。ついさきまで自分も若かったこと、その若さがあまりにも短かったことを思い、切ない気持ちで見つめているのかもしれない。
おしゃべりで勇敢な12歳の少女、赤毛でそばかすだらけのカーリー。ある日、彼女はとんでもないトラブルに巻きこまれてしまう。なにが真実なのだろう?どこまでが嘘なのだろう?魔女たちの巧妙な嘘にまんまと引っ掛かってしまったふたりの少女が繰り広げる、ハラハラドキドキのファンタジー。途中からの急展開が見どころ。魔女たちのデモーニッシュさ加減がぞくぞくするくらい面白い。アレックス・シアラーの作品でいうと、『スノードーム』に近いかも。
魔女たちの嘘は、深い川の表面に張った薄い氷のようだ。遠くからなら、心配することなんか何もなさそうに見えた。だからどんどん進んでいって、そのうち安心して全体重をかけるようになって、これなら大丈夫と思った。そのとたん、氷が割れ、凍りつくような水の中に落っこちてしまった。

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