りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方
2005年7月17日 ノンフィクション
子どもたちに「正しいプライド」を持ってほしいと、孤立奮闘する、ある美術教師の授業記録。帯に「(文化庁長官)河合隼雄氏絶賛」とあり、さもありなんと思う。さらには、この本がかの『電車男』の編集者の手によるものということを知り、ますますさもありなんと思う。何というか、あまりにも直球すぎて、息が詰まる。先生の主張は大きく言うと「りんごは赤だという先入観にとらわれることなかれ」「ほめて育てることで、子どもは正しいプライドを身につける」という二点。確かにもっともだと思うのだけれど、なんだかどうも表現が、最大公約数的な「理想の教育」に落ちついてしまっている気がする。「オーラのあるカリスマ教師」という持ち上げ方も、逆に現場の現役先生たちにプレッシャーを与えかねない気がするのだ。
私はRCサクセションの『僕の好きな先生』みたいな先生のほうが好きだな。
たばこと絵の具のにおいの あの部屋にいつも一人
たばこを吸いながら キャンバスにむかってた
ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
たばこを吸いながら 困ったような顔をして
遅刻の多いぼくを 口数もすくなく叱るのさ
ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
文字どおり『トランジスタラジオ』の歌詞を地で行くみたいな高校生だった私を、いまでも気にかけてくれる先生は、実際にこういうひとでした。なぜか職員室が嫌いみたいで、どこか自信なさげで、「生徒の自主性に任せる」と言いながら、肝心な答えははぐらかすような・・・そんな先生。オーラなんてなかったし、くすぶってたおじさんでしたが、充分に好きでした。先生がときおり思いついたように発行する学級通信の片隅には、いつも「誰かの言葉」が添えられていました。いまでも覚えてます。「空気と光とそして友だちの愛、これだけが残っていれば、何も気を落とすことはない。(ゲーテ)」
私はRCサクセションの『僕の好きな先生』みたいな先生のほうが好きだな。
たばこと絵の具のにおいの あの部屋にいつも一人
たばこを吸いながら キャンバスにむかってた
ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
たばこを吸いながら 困ったような顔をして
遅刻の多いぼくを 口数もすくなく叱るのさ
ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
文字どおり『トランジスタラジオ』の歌詞を地で行くみたいな高校生だった私を、いまでも気にかけてくれる先生は、実際にこういうひとでした。なぜか職員室が嫌いみたいで、どこか自信なさげで、「生徒の自主性に任せる」と言いながら、肝心な答えははぐらかすような・・・そんな先生。オーラなんてなかったし、くすぶってたおじさんでしたが、充分に好きでした。先生がときおり思いついたように発行する学級通信の片隅には、いつも「誰かの言葉」が添えられていました。いまでも覚えてます。「空気と光とそして友だちの愛、これだけが残っていれば、何も気を落とすことはない。(ゲーテ)」
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