九歳から一四歳まで通った在プラハ・ソビエト学校では、四年生になると、女の子は家庭科を履修するのだが、その裁縫の授業で、最初に教わったのが、スカートでもエプロンでもなく、下着のパンツの作り方だった・・・二次元の布で複雑に入り組んだ三次元体を包むパンツ。裁縫の達人でも難題中の難題である「パンツ」を、幼き日の著者が作るはめになった理由とは?
本当に丸ごと一冊「パンツ」と「ふんどし」がテーマの(禁断の)エッセイ集。
もちろん米原万里さんの本なので、ただただ笑える話というわけではなくて、其処個々にそこはかとなく知性がキラリと光ります。パンツとふんどしのためならば、時間軸も国境線も軽々と越える・・・その情熱に、拍手。

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