市民参加型インターネット新聞の稀有な成功例として世界に知られる韓国のニュースサイト『オーマイニュース』。その誕生から現在にいたる5年間の格闘の記録。
02年の韓国大統領選はじつに面白かった。ノ・ムヒョン候補を支えた386世代の声はどこまで反映されるのか?ネチズンはどれほどの可能性を秘めているのか?地域感情が克服されることはあるのか?韓国はこの先の未来にどんな選択をするつもりなのか?気になることが山ほどあったので、衛星放送と新聞に釘付けだった。

その選挙を克明に伝えていたのが、この『オーマイニュース』というサイト。日本語版はないので詳しくは知らなかったのだが、噂は何度か耳にしていた。やはり立ち上げには相当苦労をした様子。「市民みんなが記者」という考え方が浸透するまでは、もちろん赤字続き。編集部は記者わずか4名で突っ走る。孤立奮闘する著者の、個人的なエピソードも涙もの。連日徹夜続きで朦朧としている最中、幼い娘が父親に厳しいひと言を発する。急に忙しくなってちっとも遊んでくれなくなったから「もう、お父さんとは一緒にいたくない」と。「過労死の危機」よりも切実に「父親の危機」を感じてうろたえる著者・・・

やはり韓国は、ワールドカップでも大統領選でも、血湧き肉踊るエンターテイメントにしてしまうから面白い!★★★

コメント