イチジクとイチジクコバチの関係は、いわゆる「共進化」の典型の一つである。イチジクコバチの話を初めて読んだのは、日高センセの『春の数え方』だったか、奥本大三郎さんの『虫の春秋』だったか・・・とにかく、その「イチジクのなかでうごめく虫たち」のなまめかしさに眩暈がしそうになったのですが、いま読み返してもやや食傷気味。ただし、これは野生のイチジクに限った話で、スーパーで売っている果実のなかからハチが生まれて飛び出てジャジャジャジャーンということはないそうです。とはいえ、数学的センス皆無・理系の話題はちんぷんかんぷんの私でも、動物行動学の話はしごく面白い。ガガンボもゴキブリもアメリカシロヒトリも実物は苦手なのだけど、本で読む限りは、知的好奇心が刺激されるのよね。
イチジクの雌株の雌花はひたすらハチを育てるためにあり、雌株の「実」に入ったハチは、ひたすらイチジクの種子を育てるためにだけ働くのである。
コメント