一軒一軒はよくにていますが、よく見ると、洗濯物のようす、植木のようすなどが少しずつちがっています。それぞれが生き物のように見えませんか?それぞれが人のように見えませんか?人はなぜ集まって住むんだろう?その理由を知りたくて、ずっと建築の仕事を続けてきたという建築家、元倉眞琴さんが世界中の「集まって暮らす家」をイラストと文章で紹介した絵本。『くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本』シリーズの第5弾。やはり面白いです、この絵本。
かつて炭鉱でさかえた通称「軍艦島」の集合住宅跡地も載っていたりします。そういえば大学生の頃、私もこの島に上陸したことがあります。全盛期は小さな島に5千人も住んでいただけあって、生活するのに必要な、ありとあらゆる施設が、所狭しと建てられていたようです。銭湯、学校、公園、商店、パチンコ屋、そして映画館。朽ち果てた廃墟に残された、オレンジ色のちいさなタイル―それが「映画館のかけら」なのですが、それを大事に持ち帰った覚えがあります。いまとなっては、とても貴重な体験。
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