ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死
2005年4月24日 ノンフィクションだれもかれもおとこならみんな征く ぼくも征くのだけれど 征くのだけれど音楽を愛し、映画監督を夢見つつ、23歳で戦死した若者。彼が残した詩に心動かされた25歳のライターが、戦場で死ぬことの意味を見つめるノンフィクション。今年の大宅賞受賞作。
なんにもできず 蝶をとったり 子供とあそんだり
うっかりしていて戦死するかしら
骨は骨として 勲章をもらひ 高く崇められ ほまれは高し率直で無骨な23歳の青年の詩。「おんなにたいして、しびれるようなみれんをおぼえた」失恋や、出征間際までチャイコフスキーの「悲愴」に聴きつづけたエピソード。いさぎよく兵士になることができない竹内に、「なぜか他人事ではない切実さを感じる。いまという時代を生きている自分と彼の心境に共通するものがあるような気がする」と語る著者の感性に共感。
なれど 骨は骨 骨は聞きたかった 絶大な愛のひびきを ききたかった
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