メディア環境を生態系としてとらえ、自筆のスケッチを用いながら、多様でしなやかなメディア実践へと読者をいざなう斬新なメディア論―ということですが・・・うーむ、大学の講義を聞いているような感じとでもいいましょうか。直接の講義であれば、臨場感もあいまって理解が深まると思うのですが、筆者の頭のなかにある「イメージのようなスケッチ」までもを共有するというのは、案外むずかしい。

強大なマスメディアが繁栄を謳歌する現在の体制を「国策で杉林だらけになった日本の山野林」に例え「多様性を見失い、スギ花粉による多大な被害を被っている」状態と表しているのは、確かに面白い。生物の棲息に適した小さな場所=「ビオトープ」のようなメディア環境を作るべきという主張も、とても興味深い。でも、どこか大学の講義みたいなのだ、やはり。。。

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