いつしか時代は変わっていた。もはや韓国ブームをあえて語る必要はなくなったのだ。日本文化は韓国のポピュラーカルチャーをすでにみずからの内側に構造化して携えるようになっていた。事情は韓国でも同様で、金大中政権時代に日本文化が革命的に解禁された後、日本のもっとも新しい文化を韓国人はリラックスした形で受け入れるようになっていた。そう、それが、わたしたちが最初に対談集を世に問うてから7年の間に生じた変化だった。
連戦連勝じゃないか。わたしは李鳳宇にいった。
いやあ、そうでもないよ。勝ったり負けたりかなあ。彼はそう答えた。
四方田犬彦 (まえがきより引用)
『先に抜け、撃つのは俺だ』を再版したものと知りつつも・・・あー、やっぱり買ってしまった。我ながら意志が弱い。でも、前半の「2005年篇」はふかぶかと染みいる名対談でした。★★★★韓流ブームを歓迎しながらも、こころのどこかで、これが夢なら醒めなければいいのにと願っている感じ。北朝鮮報道に思わず目を背けたくなる感じ・・・すごく体感でわかるのです。私もけっこう思い入れがあるのかなぁ。ちなみに、7年を経て、四方田さんと李さんの一人称も変わりました。かたや「韓国を語らせれば、右に出るものがいない男」かたや「韓流を作った男」と称される時代になったのですから、あたり前か・・・四方田さんの「俺」的対談はけっこうドキドキして読んでたんだけどなぁ。
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