海の仙人

2005年4月8日 小説
変化が起こるはずもなかった。ミツバチは次第に遠ざかり、
煙のように飛び去ってしまった。引き潮の浜に二人は取り残された。
このひとの本はどうして、こんなにじれったいんだろう・・・「冴えない男」と「甘えるのが下手な女」。ふたりは瀬戸際に立たされても、いまだ距離が縮まらない。肝心なときにこその「神さん」も頼りにならない。もう、後戻りがきかないのに、臆病さが災いして、立ちすくんでしまうひとたち―を描かせると、やはり上手いなのな。

孤独ってえのがそもそも、心の輪郭なんじゃないか?
外との関係じゃなくて自分のあり方だよ。背負っていかなくちゃいけない最低限の荷物だよ。
プラス@いつも舞台の袖に控えている「意地を張る女」の存在もやるせない。

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