42歳にして海外旅行も独り暮らしも結婚もしたことがなくて、人生の経験値が極端に低いことを気に病んでいる穂村くんが、ついに現実内体験に乗り出した!献血、合コン、健康ランド、モデルルームの見学、そしてプロポーズの先には・・・我らがほむほむが、ついに結婚?!
続きが気になる方はぜひ、書店にてお買い求め下さい。
店主イチ押しの★★★★
『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』と続けて読んできたせいか、だんだんほむらくんの気持ちにシンクロしてしまうようになってきた。『世界音痴』はあんなに大爆笑してたのに、今回の『現実入門』は、「笑い」:「切なさ」=2:8くらいの割合なのだ。
小さな男の子の素直な瞳に震えあがったことがある。その一方で、このまま子供のいない人生がずっと進んでいっていいものか、とも考える。プールサイドで小さな女の子を胸の上に乗せたまま、眠っているお父さんをみて、その一体感に羨ましさを覚えるのだ。
子供ってすごくいいものなのか、それともうるさくて邪魔なものなのか。それさえもてば腹の底から勇気が出てこの世に怖いものがなくなるのか、それともそんなものは子供のいない人間の幻想なのか。あたまで考えるものじゃない、と云われるが、やはり考えてしまう。
「一日お父さん」を体験したほむらくん。終わりの頃になって、ようやくなんとか子供たちと遊ぶことができた。でも最後まで、「肩車しよう、の一言が、どうしても云い出せなかった」。そんな一文を読むと思わず、ひりひりとした痛みが伝染してしまう。切なさの限界値に触れると、胸につまってしまう。たぶんそれは、一見「切なさ」に見えるんだけど、正真正銘「孤独」の一歩手前なのな、きっと。
だから、あとがき読んでほろりとしてしまいました。おめでとう、我らがほむほむ!
そして、ありがとう。貴方は私に夢と希望を与えてくれました。
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