《本日観た作品》

『イラン式離婚狂想曲』
1998/イギリス・イラン
女性には自由意志による離婚が認められないイラン。離婚する権利を奪われた女性たちが、人生のすべてを賭けて家庭裁判所に臨む―臨場感あふれるドキュメンタリー。とにかく女性たちの剣幕がすごくて圧倒される。離婚に費やされるエネルギーというものは、噂に聞く以上にすごいものなのかもしれない。あんなに大喧嘩をしたら、離婚が成立したあと腑抜けになりそうだ・・・イランでは裁判が有利になるように娘を連れて、母親がどなりこむのが一般的なようだが、娘の側からしてみれば耐えがたい状況ではあるよな。押し黙って、そ知らぬ顔をしているかに見えた娘が後日、裁判の一部始終を再演してみせる様子がやるせない。

『戦争の記憶』
1994/イスラエル/監督 アモス・ギタイ

『シャティーラキャンプの子供たち』
1998/レバノン・パレスチナ/監督 メイ・マスリ
レバノンのパレスチナ難民キャンプに暮らす12歳の少年イーサと11歳の少女ファラ。彼らの目に映る日々の暮らしと家族の歴史、そしてその日常を切り裂く深い傷。50年におよぶ難民生活の実態を子供たちの夢と現実を通して描く。

『ボーダーズ』
1999/イスラエル/監督 エラン・リクリス
レバノンとの休戦ライン、西岸地区との国境、無数のチェックポイント。イスラエル国内には様々なボーダーがある。ゴラン高原で国境を越えて花嫁がシリアの村に嫁ぐ。国防軍の国境警備の日常とボーダーをまたいで公然と商売をする人etc.etc.様々なボーダーの上のドラマが重層的なイスラエル社会のあり方を見事にあぶり出す。―非常に見ごたえのある作品★★★★国境をとりまく問題というのは深刻であるがゆえに、ときとして滑稽だとつくづく思う。ラストシーン・・・シリアへのビザが入手できず、国境線をまたいで右往左往する家族を横目に、白いウェディングドレスに身をつつみ、涙をこらえてひとりたたずむ花嫁の姿がとても印象的。

『オレンジ』
1998/イスラエル/監督 アモス・ギタイ

『デリダ、異境から』 
1999/エジプト・フランス/監督 サファ・ファティ

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