桜が創った「日本」―ソメイヨシノ起源への旅
2005年3月22日 新書「桜」と聞くとなぜか「日本人は古来から桜を愛で云々」みたいな話に結びつけられがちだが、いわゆるソメイヨシノの歴史は浅い。明治10年代からソメイヨシノの流行がはじまり、日清日露戦争の最中に猛烈な勢いで全国に広がっていった。接木と挿し木で容易に繁殖することと、成長が早い品種だったことがその理由に考えられる。また、1本の原木から増殖した『クローン桜』であるので「同時期に一気に咲く」という性質もあわせ持つ。これが近代以降、「ひとつの国家」の象徴として利用された点も否めないのではないか。―というのがこの本の趣旨。
「桜ナショナリズム」と言われれば、確かに思いあたるふしがなくもない。というのが、韓国にも桜並木はあるのだが、かの国では、皆で連れだってお花見に出かけることはあっても、「春といえば桜」という感覚はない。「春といえば、ケナリ」なのだ。強引に植えたほうはそんなことすっかり忘れても、植えられたほうはその起源を覚えている・・・なんてことがあるのかもしれない。ちなみに、韓国の歌といえば、まず筆頭にくる『アリラン』が「国を象徴する歌」になったのも、近代以降だと聞く。
ま、そんなことはさておき「ソメイヨシノ」の樹齢はひとの寿命にほぼひとしく、10年あまりで花をつけ、20年で花盛りをむかえ、60年から70年くらいで枯れていく―だからこそ桜はひとの人生に重ねられやすい、という話も興味深い。確かにうちの近所の桜も、いかにも「天寿をまっとうした」という感じにくたびれている。これは全国的な現象らしい。
ところで、今年の桜開花予報によると、関西の開花予想日は27日から4月3日だそうだ。ここ数日寒い日が続いたので、去年よりは若干遅れるのではないだろうか。この時期、京都には観光客のひとがどっと押し寄せるが、なぜかピンポイントがはずれて「咲き初め」くらいのときにいらっしゃる方が多い。関東よりも1週間くらい遅れるというのが、たぶん計算外になってしまうのだろう。
おそらく今年は4月5日〜7日くらいが京都は満開。滋賀県(湖北)は8日〜10日くらいが満開になるのではないかと思ふ。と、カレンダーを見ながら「お花見日和」を思案していた私は、ここで非常に困った事態が発生したことに気づく。ガビーン。。。週末がずれてるよ。これじゃあ、毎年恒例の「彦根城でお花見」ができないではないですかっ!「桜有給」取ろうかな。あ、あかん、悠長すぎる。。。
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