人類がこれまでに試してきた人体に対する様々な試みについて、古今東西の事例を駆使して述べたユニ−クな“人体と服飾の文化誌 ”。衣服やファッションだけではなく、タトゥやコルセット、髭やカツラなどのもつ意味にまで言及した鋭い文明批評の書。
「文化人類学の古典であり、ファッション学の先駆けでもある本」と大学時代、ゼミの先生が推薦していた本。当時はお洋服にそこそこ関心があったので「ぜひ読みたい」と思っていたのだが、タイトルが思い出せず、買えずじまい。そのうえ、肝心の本の存在を5年以上も忘れていた。同先生が先日、新聞の書評で紹介していた『隠された風景』があまりに面白かったので、ふと思い出して探してみたら、案外簡単に見つかった。残念ながら読む時期を逃した感あり。学生時代に読んでおけばよかったと、ちょっと後悔。関心の対象は、やはり日々刻々と変化する―とつくづく。

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