ひとの秘密には手をふれてはいけないのだ。それが生まれそだったゆきどまりのちいさな路地のおしえてくれた、ひとの暮らしの礼儀だった。ひとはひとに言えない秘密を、どこかに抱いて暮らしている。それはたいした秘密ではないかもしれない。秘密というよりは、傷つけられた夢というほうが、正しいかもしれない。けれども、秘密を秘密としてもつことで、ひとは日々の暮らしを明るくこらえる力をそこから抽きだしてくるのだ。
やはり長田さんの本、よござんす。★★★

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