すこし前にmixiの日記に『子ども』という詩のことを書いたら、思いのほか反響が大きかった。とはいえ、私はスウェーデンの教育について何も知らないので読んでみました、入門書。ただ手離しに「スウェーデンはえらい!」みたいな内容だったら、読む気がしなかったと思うが、著者は実際に作業療法士としてスウェーデンで働いていて、2人のお子さんを育てている。だから、実体験に基づく「教育現場」の内情が描かれていて、興味深かった。

「完成形」をほめそやす、みたいな内容の情報はどうしてもしらけてしまう。だけど「何しろ実験国家なので、60年代はフラワーパワー全開で、秩序も常識も道徳も何もあったもんじゃなかった。ただ、その状況下で育った子供たちが10代になったとき、公共物資に対する破損行為が目立ったので、教育界は放任主義をやめてブレーキをかけた」と言われると、ほほぉふむふむと俄然好奇心がわいてくる。何よりも「間違っているとわかれば、新しい考え方をすぐに取り入れて、実験を繰り返しながら良い方向へ進もうとする」というのが、おおらかで良いではないですか。

ちなみに『エヴァとステファンと素敵な家族』という作品はスウェーデンで3人に1人が観たという映画なんだけど、”実験的な”家族の様子が悲喜こもごも描かれていて、こちらもおすすめ。

確か韓国のひとが「韓国人は最初の企画なんて誰も見向きもしない。シナリオを描きながら現場で走るが、日本人は企画もシナリオも書き上げないと現場に入らない。だから物事が進まない」と胸を張って言っていた・・・韓国人の得意げな様子が目に浮かぶ(笑)確かに、日本人は予定変更も嫌うし、融通が利かない。「実験」というあり方と、いちばん程遠いところにあるのが日本なのかもしれない。

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