私はディズニーランドが苦手です。生理的に、とても。この「生理的に」というのが曲者で、嫌いなら嫌いで、やはりちゃんと理由は説明できたほうがいいのではないかと思い、この本を読んでみました。さすがにBOOK OFFで105円だっただけのことはあって、前の持ち主が文中にやたらと鉛筆で線を引いていました。すごくピントはずれで、物悲しかった。仕事ができるタイプのひとじゃないみたい、たぶん。すごく生真面目で、息抜きができなくて、周囲を気遣うあまり、企画会議でアイデアとか出せなくて、お客さんの前で笑顔が引きつってしまう・・・おそらく彼は前時代的、猛烈サラリーマン。嗚呼、君に幸あれ。

ところで、『私がディズニーランドを好きになれない6つの理由』
?キャスト(スタッフ)は徹底的に教育されていて、困っているゲストを見かけたら、何が何でも駆け寄ってくる。「積極的にフレンドリー」がキーワード。
→お願いだからやめてほしい。デパートの化粧品売場と衣料品売場のお姉さん方も、私をそっとしておいてください。
?キャストの気持ちはゲストにも感染する。みんな気持ちがやさしくなり、互いに親密になる。
→園内を一歩出たら、殺伐とした世界が広がっているのかと思うと、けっこう怖いです。
?塵ひとつないように、いつもピカピカに清掃されている。何しろ魔法の国なので。
→ひょえぇ・・・くつろげない。
?キャストは「ディズニーランドでしか味わえない不思議なときめき」(やりがい)を感じながら働いている。これを”妖精の星屑”と呼ぶ。
→い、い、いまの職場で充分です。そんな星屑いりません。
?つねに顧客満足度を第一に考えている。朝にはあふれんばかりの笑顔で陽気にゲストを迎え、夕暮れにはゲストの気持ちをおもんばかって、園内には物憂い音楽が流れ、キャストもしずかに落ち着いた振る舞いを見せる。
→みんな「同じようなさびしい気持ち」でディズニーランドを後にするなんて、変です。何かの儀式みたいです。
?《イッツ・ア・スモール・ワールド》では、世界中の子どもたちの人形がこころをひとつにして歌う。ただし、そのなかにはアメリカの子どもの人形はふたりしかいない。
→ブッシュ大統領の演説のとき、後ろに並んでいる軍隊のひとたちの顔が一瞬目に浮かびました。ああいうあざとい演出が、どうも腑に落ちません。 

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