グレートジャーニー―地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇
2005年2月19日 新書「地球は優しい」という言葉を使うことが場違いで恥かしいほどに、彼らは徹底して自然に溶け込み、自然と調和する生活をしていた。私たちは彼らの知恵や知識に敬服し、半年間同じ屋根の下で、同じ物を食べて暮らした。文章にも写真にも、著者のそんな姿勢がつらぬかれているところが★★★★南米のある村で「お前の住んでいるところはここから遠いのか?」と尋ねられた著者。「満月が半月になるくらいの時間」と答えると、「なんだ、隣の川に行くのと同じじゃないか」という返事が返ってくる。そんな驚きと発見が、お互いの絆を深めるきっかけになって、30年あまりも交流が続いているのだとか。「日本の空を見上げながら、彼らも同じ空を見上げてるんだな、と思うと胸につまる」と語る、その著者の感性が素敵だ。この本を読んでいると、ひとが暮らすときの基本単位は「家族」なんだという、ごくあたり前のことに、あらためて気づかされる。
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