日本の自然誌 西表 高橋健 日本動植物専門学院編
西表島に通うようになって、かれこれ10年近く。行くたびにまた別の一面に魅了され、なかなか離れられない。さて、この本は西表の歴史と自然を丁寧に解説した良書。著者はイラストも描いていて、だからなのか文章はとても映像的。西表に行ったことがあるひとだったらすぐに、「あー、あの場所!」と見当がつくはず。
明和の大津波で唯一被害を受けなかった竹富島の話。マラリアが蔓延していた頃の話。強制移住という過去。台湾系のひとたちがいまも石垣島に暮らすわけ。宇多良炭鉱全盛期の頃のことetc.etc.あらためて読むと、いろいろ考えさせられる。ある程度西表のことを知っているひとが読んでも、「全然知らなかった」という話が多いんじゃないかな。
ちなみに『あけぼの館』の彦さんが写真入で載っているのに驚いた。それもむちゃくちゃ若い頃の写真。「革新的な農業を営む津嘉山彦さん」と肩書きも格好いい。ほろ酔いかげんで三線を弾いているところしか存じ上げてなくて、恐縮です。

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