単行本 村松友視 横山 良一 平凡社 1989/07 ¥1,264
北海道から沖縄まで、たそがれムードのなかで踏ん張る全国のローカル映画館を訪ねるノンフィクション。1989年刊の本で、この頃にはまだミニシアターもあまり存在していなかった(らしい)。ビデオが普及しだした時期と重なって、とにかく映画界が斜陽の一途をたどっていた頃のお話。
「東京の映画館で1日千人の大入りだったとするでしょう。それは一千万という東京の人口の一万分の1ですわ。それやったら、人口7万の町で7人ゆうのは、同じとも言えるわけでしてね」「まあ、好きなんでしょうな、映画の小屋がね。何て言うか、派手な商売でありながら、一種の文化事業というようなね、独特の仕事ですからねぇ」映画館オーナーのひとたちの言葉がせつなく、重い。ニュー・シネマ・パラダイス地方版。

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