『父、帰る』

2005年1月21日 映画
母子3人で暮らしてた兄弟のもとに、12年ぶりに突然帰ってきた父。なぜ帰ってきたのか、今まで何をしていたのか、兄弟には何の説明もない。そして父は、2人を湖への小旅行に誘う。それは父子水入らずの、初めての旅だった…ロシアの超新星、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の禍々しくもひときわ美しく世界に輝く処女作。

本日、上映終了日につき、みなみ開館にて『父、帰る』を観てきた。だいたい、失踪していたのを悪びれもせず、子どもに「パパ」と呼ばせるなんて何様のつもり?そのうえ有無も言わせず暴力ふるうなんて卑怯者!と、まあ感情移入して観ているうちに「私も金属バットを持って、あのクソ親父を後ろから・・・」と思っていた矢先、少年たちが事件に巻きこまれ、無理やり大人にならざるを得なくなって・・・物語の後半の展開が、息を飲む。はっきり言って、背筋がぞぞぞっと凍るくらい重かった。ちなみに、不安げな表情が印象に残る兄役のアンドレイ少年は撮影終了間もなく、友だちと訪れたロケ現場の湖で、不慮の事故にあい亡くなってしまったのだとか。なんともいわくつきの映画ですね。合掌。 

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