『坂根田鶴子の生涯』と同じく、この作品の監督も熊谷博子さん。このドキュメンタリー作品の登場人物は文字通り、女性映画監督やプロデューサー。聞き手が同業者だということで、胸襟をひらいてお話されているのかと思うが、ひとりひとりのお話が重厚で、真剣に観すぎて言葉を失ってしまった。映画界というのがそんなにも女性に対して門戸が開かれていないとは知らなかったので。

とある映画監督の方が言っていたことが印象に残った。
「映画を撮っていると、どうしても人間関係が犠牲になる。
 映画に愛を吸い取られてしまうから。
 それにわかるでしょ、あの孤独とか・・・」

「あの孤独とか」という言葉ですぐに通じ合うひとたちが、向き合って話している記録を十数人まとめて聞くというのは重い、じつに重い。

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