これはスゴイ!★★★★またあらたにとっておきの小説家を見つけてしまった感あり。書き出しの『天国』という短編を読んでいたら、とめどなく幼い頃の記憶がよみがえってきて、みぞおちのあたりに言葉があふれて仕方がなかった。別居している父親が釣りに連れて行ってくれた一日を描いた『魚』。娘をうまく抱き寄せることができない父親の姿がやるせない『自分の領分』。帯の小川洋子さんのコメントも見事。「レベッカ・ブラウンは、遠い日々にある流れ星のような幸福と、さざ波のように寄せる哀しみを、両手ですくい上げる。いとうしむように、許すように、そっと」
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