無声映画コンサート　『アンダーグラウンド』

1928年にイギリスで製作された映画『アンダーグラウンド』。当時の近代化の象徴だったロンドンの地下鉄を舞台に、4人の男女の恋愛模様が描かれている。（・・・途中からはサスペンス映画になるんだけど）日本初公開。

今回の上映は贅沢にも室内楽コンサートつき。ルーブル美術館が委託して現代音楽家オスカー・ストラスノイがこの映画のために作曲した音楽を、アルゼンチン出身のトリオ・EGO ARMANDが生演奏した。

会場の京都ドイツ文化センターは大入り満員。いったいどこからこの映画の情報を入手したのだろうというひとたちであふれかえっていた。（私は如月社のシネマ情報からだけど）

「少年がハーモニカを吹くシーン」でバンドが演奏をやめるのは粋だったな。音を感じる無声映画なのだ、これは。ストーリーに合わせてめくるめく展開する音楽を感じながら、観ている側はスクリーンのなかの人物の心情を想像する。とてもひそやかな体験。